Narrative を試す
提案資料「導入効果」のページ。4 拠点の棚卸しの時間を導入前と導入後の横棒で比べ、下に年間 1,440 時間が入荷の段取りに戻ったという結論がある(Narrative の作例)

AI に資料のレビューを頼むには?誤字・数字・つながりの 3 段階と頼み方

この記事の答えAI に資料を見てもらうときは、誤字と表記の揺れ・数字と単位の食い違い・ページの間の論理のつながり、の 3 段階に分けて別々に頼みます。1 回で「全部見て」と頼むと、目立つ誤字だけが返ってきます。数字の正しさそのものは AI では確かめられないので、出どころとの突き合わせは人が行います。

公開日 更新日 内容確認日 執筆 Narrative 編集部
要点
  • 段階は 3 つ。誤字と表記・数字と単位・ページの間のつながり
  • 1 段階ずつ別に頼み、返事は「箇所・元の文・直し・理由」の表で受け取る
  • 数字の正しさは AI では確かめられない。出どころとの突き合わせは人が行う

3 段階に分けて頼む理由

AI に「この資料を見て」と 1 回で頼むと、返ってくるのは目立つ誤字と、言い回しの提案です。数字の食い違いやページの間の矛盾は、見る観点を指定しないと拾われません。

段階を分けると、AI は 1 つの観点に集中し、返事も揃った形になります。3 段階を順に頼み、それぞれの返事を表で受け取ります。

段階 見るもの AI に頼むこと 人が行うこと
1. 誤字と表記 誤字・脱字・表記の揺れ(「サーバ」と「サーバー」)・敬体と常体の混在 揺れの一覧と、統一案 統一の方針を決める
2. 数字と単位 同じ数字がページ間で違う・単位が抜けている・合計が合わない 食い違いの箇所の一覧 出どころと突き合わせ、正しい値に直す
3. つながり 課題と解決策が対応していない・結論と根拠が離れている・順番が読む人の順でない 読む人の立場で引っかかる所と、その理由 直すかどうかを決める
提案資料「導入効果」のページ。4 拠点の棚卸しの時間を導入前と導入後の横棒で比べ、右に差の分数、下に年間 1,440 時間という結論がある
数字のページは、2 段階目で「120 分 → 5 分」と「年間 1,440 時間」のような換算の整合と、他のページの同じ数字を突き合わせる(Narrative の作例)

段階 1: 誤字と表記の揺れ

最初の段階では、誤字・脱字と表記の揺れだけを見てもらいます。言い回しの提案は要らないと先に書くと、返事が短くなります。

表記の揺れは、直す前に「どちらに統一するか」を決めます。AI に決めさせると、資料ごとに違う方に揃います。社内に用語の一覧があれば、それを先に渡します。

段階 2: 数字と単位

2 段階目は、数字と単位の食い違いだけを見てもらいます。同じ数字が別のページで違う値になっている、合計が内訳と合わない、単位や期間が抜けている、の 3 つが主な対象です。

AI が見つけるのは「食い違い」であって「正しい値」ではありません。どちらが正しいかは、元の集計表や公開情報と突き合わせて人が決めます。AI に正しい値を推測させると、それらしい数字に置き換えられます。

全社会の資料「来月の重点」のページ。新規 ARR・解約率・採用の 3 つの目標が、数字の帯と説明の 1 文で横に並んでいる
「解約率 0.55%」のような目標の数字は、他のページの実績(0.61%)と一緒に突き合わせる(Narrative の作例)

段階 3: ページの間のつながり

3 段階目は、資料全体の論理のつながりを見てもらいます。課題のページで挙げた困りごとに、解決策のページが答えているか。効果のページの数字が、事例のページと矛盾していないか。結論が最初に来ているか。

読む相手の役職を指定すると、指摘の粒度が変わります。決裁者なら費用と効果のつながり、現場の担当者なら手順の抜けを見ます。

AI が見られることと、見られないこと

AI のレビューで頼ってよいのは「機械的に突き合わせられること」で、事実の正しさや、相手の事情は見られません。境目を先に知っておくと、返事の扱いを間違えません。

見られる 見られない
誤字・脱字・表記の揺れ その数字が事実として正しいか
ページ間で数字が違うこと 相手の社内事情に合っているか
単位・期間・出どころの抜け 社名や固有名詞が正しいか(文字起こしの誤りは拾えない)
論理の飛び(課題と解決策の対応) 見た目の崩れ(図の重なり・はみ出し。ファイルの読み込みで失われる)

見た目の崩れは、AI ではなく画面で確かめます。資料を絵にして AI に渡す方法もありますが、細かい文字は読めないことが多いので、体裁の確認は人の目で行います。

社内の資料を渡す前に確かめる 2 つ

社内の資料を AI に渡す前に、入力が学習に使われる設定かどうかと、社内の決まりを確かめます。個人向けの無料プランは学習に使われる設定が既定のサービスがあり、法人向けの契約では使われないのが既定です。

サービス 個人向けの既定 法人向け
ChatGPT 設定で学習への利用を切れる ChatGPT Enterprise / Team は学習に使わない
Claude 設定で選ぶ Claude for Work(Team / Enterprise)は学習に使わない
Gemini アクティビティの設定で切れる Google Workspace の Gemini は学習に使わない

各社の公開ページの内容は変わるので、確認日つきの出典を記事の末尾に載せています。4 社の扱いの比較は 社内の資料を AI に読ませても大丈夫? にまとめています。

この記事は、編集部が資料を作るときに実際に使っている 3 段階の頼み方を書いたものです。各社の入力の扱いは 2026 年 9 月 16 日に公開ページで確かめました。運営会社の製品(Narrative)はレビューの道具ではないので、この記事では扱っていません。

この記事で比べた製品

OpenAI

ChatGPT

OpenAI の AI アシスタント。文書・表・プレゼンを会話から作り、Excel や PowerPoint の中でも使える。

料金
無料 / Go ¥1,400 / Plus ¥3,000(1 人・月)

向いている

  • 文書・表・プレゼンを作れ、既存のファイルに形式を合わせて頼める
  • Excel・PowerPoint・Google スプレッドシートの中からも使える

向いていない

  • 個人向けプランは月払いのみで、年払いの割引が無い
  • スライドの生成は公式にベータ版とされている
Anthropic

Claude

Anthropic の AI アシスタント。無料プランでも Word・Excel・PowerPoint・PDF のファイルを作って渡せる。

料金
無料 / Pro $17〜20 / チーム $20〜25(1 人・月、税別)

向いている

  • ファイルの作成が無料プランでも使え、料金の段で差が付かない
  • チームと Enterprise は、既定で入力を学習に使わないと明記している

向いていない

  • 料金がドル建てで、為替によって支払額が変わる
  • PowerPoint ファイルの読み込みには対応していない
Google

Gemini

Google の AI アシスタント。Canvas で文書とスライドを作り、Google ドキュメントへ書き出せる。

料金
無料 / AI Plus ¥725〜¥1,450 / AI Pro ¥2,900(1 人・月)

向いている

  • Canvas で作った文書とスライドを Google ドキュメントへ書き出せる
  • Gmail・Google ドキュメントなど、いつもの Google の道具から呼べる

向いていない

  • Canvas で直せるのはその場の会話で作った内容に限られる
  • 1 つのプロンプトに添えられるファイルは 10 件まで

よくある質問

社内の資料を AI に渡して大丈夫ですか?

契約の種類で扱いが違います。個人向けの無料プランは入力が学習に使われる設定が既定のものがあり、法人向けは使われないのが既定です。渡す前に社内の決まりと、使うサービスの設定を確かめてください。4 社の扱いは別の記事で比べています。

PowerPoint のファイルをそのまま渡せますか?

ChatGPT・Claude・Gemini のいずれもファイルを添付できますが、図の中の文字や表の並びが崩れて読まれることがあります。本文と数字を文字で貼り直すか、PDF にして渡すと、見落としが減ります。

AI の指摘はどこまで信じてよいですか?

誤字と表記の揺れの指摘は、ほぼそのまま使えます。数字の指摘は「食い違いがある」という気づきとして受け取り、どちらが正しいかは出どころで確かめます。論理の指摘は、読む相手の視点として参考にし、直すかどうかは自分で決めます。

出典

内容の誤りを知らせる

この記事を書いた人

Narrative 編集部編集部

Narrative を作っているチームが、実際に AI で資料を作りながら書いています。料金や機能は各社の公開ページを確認日つきで載せ、確かめられない数字は書きません。

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