Narrative を試す
採用資料の「社内イベント」のページ。7 つのイベントを写真と 3 行の説明で 2 列に並べている(Narrative の作例)

AI で作った画像を資料に使ってよい?商用利用と権利の確かめ方

この記事の答え5 つとも、生成した画像を商用の資料に使うことは各社の規約で認められています。分かれるのは、第三者から権利を主張されたときに会社が守ってくれるか(補償)と、年商の条件です。補償が明記されているのは Adobe Firefly の企業向けの契約、Canva Shield(対象の企業顧客)、OpenAI の Enterprise 顧客です。

公開日 更新日 内容確認日 執筆 Narrative 編集部
要点
  • 生成物の所有は 5 つとも利用者側(Midjourney は年商 100 万ドル超の企業に条件あり)
  • 補償があるのは Firefly の企業向け、Canva Shield、OpenAI の Enterprise
  • 生成物には電子透かしや来歴情報が入るものがある(Gemini・ChatGPT)

見るところは「所有」と「補償」の 2 つ

AI で作った画像を仕事で使うとき、確かめる点は 2 つです。1 つは生成物が誰のものか、もう 1 つは、第三者から権利を主張されたときに会社が守ってくれるか(補償)です。

商用利用 生成物の所有 補償
Adobe Firefly 可(ベータ表示の無い機能) 利用者のコンテンツの権利は利用者に留まる 企業向けの所定の契約を購入した場合、対象の出力に契約上の補償
Midjourney 可。ただし年商 100 万ドル超の企業は Pro か Mega が必要 「作った画像と動画はすべてあなたのもの」 利用者が Midjourney を補償する向き(逆向きの記載なし)
Canva 適法な目的に使える(利用者の責任で) 入力も出力も利用者のもの(ライブラリ素材を含む場合を除く) Canva Shield が対象の企業顧客に追加費用なしで提供
Gemini 明示の記載なし Google は生成したコンテンツの所有権を主張しない 記載なし
ChatGPT 「商用」という語での明示なし 出力は利用者のもの(OpenAI が権利を譲渡) Enterprise 顧客への補償に出力の権利侵害の主張を含む
提案資料「現場の課題」のページ。左に現場で棚札を確かめる作業者の写真と課題の説明、右に 120 分・14 件・13:00 の 3 つの数字が並んでいる
資料に写真を置くページ。AI で作った画像をこの位置に使うなら、所有と補償の 2 つを先に確かめる(Narrative の作例)

所有と著作権は別の話

各社は「所有権を主張しない」「出力は利用者のもの」と書いていますが、これは「その画像に著作権が発生する」という意味ではありません。Adobe は「著作権の利益を持てるかは、その地域の法律による」と書き、Canva のヘルプは「米国を含む多くの管轄区域では、AI が作成した作品は著作権保護の対象外」と説明しています。

つまり、自社のロゴや看板のように「他社に真似されたら困るもの」を AI の生成画像で作るのは、いまは向いていません。資料の挿絵や背景のように、真似されても困らない用途が向きます。

一意とは限らない

Canva の AI 製品規約には「出力は一意とは限らず、他の利用者が似た出力を受け取ることがある」と書かれています。OpenAI の利用規約にも同じ趣旨があります。同じ言葉で頼めば、他社の資料に似た絵が載ることがあるということです。

学習データの説明は会社で差がある

学習データを公開しているのは Adobe と Midjourney の 2 つで、Canva は学習元の説明を出していません。Gemini と ChatGPT は、この記事で確かめた範囲では画像に限った説明が見当たりませんでした。

Adobe は「現在の Firefly の生成 AI モデルは、Adobe Stock などのライセンスされたコンテンツとパブリックドメインのコンテンツのデータセットで学習した」「Creative Cloud の利用者の個人のコンテンツでは学習しない」と書いています。

Midjourney はカリフォルニア州の法律に基づく公開文書で、学習データは「公開されているデータ、第三者や利用者に由来する非公開のデータ、内部で生成したデータの混合」であり「ライセンスされたデータ、フェアユースとして使われる著作権で保護されうるデータ、パブリックドメインのデータなどを含む」と説明しています。

Canva は学習元のデータセットについての説明を公開していません(書かれているのは、自分の非公開のコンテンツを学習に使わせるかどうかを利用者が管理できる、という点です)。

電子透かしと来歴情報

印が入るのは Gemini・ChatGPT・Adobe Firefly の 3 つで、Midjourney には記載が見当たりませんでした。社外に出す資料では、ここを先に確かめておきます。

  • Gemini: 作った画像・動画・音声に、見えない電子透かし(SynthID)が必ず入ります。来歴情報(C2PA)のメタデータも含まれます。可視の透かしは設定で切り替えられますが、SynthID と来歴情報には影響しません
  • ChatGPT: 対応する画像に、来歴情報(Content Credentials)と SynthID の両方が入ります。目に見える表示は、頼めば入れられます
  • Adobe Firefly: Firefly の出力を使った所定の書き出しに、コンテンツ認証情報が自動で付きます
  • Midjourney: 電子透かしや来歴情報についての記載は、利用規約にも公開文書にも見つかりませんでした

社内で決めておく 4 つ

規約を読んだあとは、社内の決まりに落とします。使ってよい場面・どのサービスで作るか・AI で作ったと記すか・元にする画像、の 4 つを先に決めておくと、現場が迷いません。

  1. 使ってよい場面。挿絵・背景は可、ロゴ・商標・人物の肖像は不可、のように線を引く
  2. どのサービスで作るか。補償が要るなら、契約の種類まで含めて決める
  3. AI で作ったと記すか。社外に出す資料で、注記を付けるかどうか
  4. 元にする画像。他人の写真や作品を入力に使わない

料金と無料枠の比較は 資料の挿絵に使う AI 画像生成はどれ?、無料でどこまで作れるかは AI 画像生成の無料でどこまで作れる? にまとめています。

製品料金無料枠商用利用権利・補償日本語の指示
Adobe Firefly無料 / スタンダード ¥1,580 / プロ ¥3,180(1 人・月、税込)1 日ごとの回数(毎日リセット)ベータ版以外は商用で使えるIP 補償は法人の対象プラン対応(100 以上の言語)
MidjourneyBasic $10 / Standard $30 / Pro $60 / Mega $120(1 人・月)無し(定額のみ)加入者は作った画像を使える年商 100 万ドル超は上位プラン会話モードは多言語に対応
Canva無料 / プロ ¥11,800 / ビジネス ¥18,800(1 人・年)AI 20 回 / 月規約を守れば商用に使える補償はエンタープライズ日本語で指示できる
Gemini無料 / AI Plus ¥725〜¥1,450 / AI Pro ¥2,900(1 人・月)無料でも画像を作れる可否の明記は無い所有権は主張しないと明記日本語で指示できる
ChatGPT無料 / Go ¥1,400 / Plus ¥3,000(1 人・月)無料版は回数と速度に上限アウトプットは利用者のもの権利は利用者へ譲渡日本語で指示できる
各社の公開情報から。確認日 2026-09-16(行ごとの日付は各製品のページに)

規約の記述は 2026 年 9 月 16 日に確かめたものです。規約は改定されるので、社内の規程を決めるときは日付を添えて残しておくと、後から見直せます。

この記事で比べた製品

アドビ

Adobe Firefly

アドビの生成 AI。許可を得たコンテンツで学習し、ベータ版以外の機能で作った出力は商用プロジェクトに使えると公式に書かれている。

料金
無料 / スタンダード ¥1,580 / プロ ¥3,180(1 人・月、税込)

向いている

  • 許可を得たコンテンツと権利を持つコンテンツだけで学習したと公式に書いている
  • Photoshop や Express など、いま使っているアドビの道具から呼べる

向いていない

  • 知的財産の補償は、エンタープライズ版で対象の利用資格を買った場合に限られる
  • Gemini や GPT Images などのパートナーモデルの利用は、利用者の責任と明記されている
Midjourney, Inc.

Midjourney

画像と動画の生成に絞った定額のサービス。無料枠は無く、作った画像は既定で公開され、他の利用者がリミックスできる。

料金
Basic $10 / Standard $30 / Pro $60 / Mega $120(1 人・月)

向いている

  • 加入していれば、作った画像を法の認める範囲で自分のものとして使えると規約に書いている
  • 下書きモードで案を安く大量に試せる

向いていない

  • 無料で試せない
  • 既定では作った画像が公開・リミックスされ、非公開にするには Pro 以上のステルスモードが要る
Canva

Canva

デザイン全般のツール。プレゼンテーションも AI(マジック生成)で作れ、ブランドキットで配色と書体を配れる。

料金
無料 / プロ ¥11,800 / ビジネス ¥18,800(1 人・年)

向いている

  • 資料以外(SNS・印刷物)も同じ画面で作れる
  • ブランドキットで配色と書体を揃えられる

向いていない

  • 自由度が高いぶん、人によって仕上がりがばらつく
  • AI の回数が月の枠で決まる
Google

Gemini

Google の AI アシスタント。Canvas で文書とスライドを作り、Google ドキュメントへ書き出せる。

料金
無料 / AI Plus ¥725〜¥1,450 / AI Pro ¥2,900(1 人・月)

向いている

  • Canvas で作った文書とスライドを Google ドキュメントへ書き出せる
  • Gmail・Google ドキュメントなど、いつもの Google の道具から呼べる

向いていない

  • Canvas で直せるのはその場の会話で作った内容に限られる
  • 1 つのプロンプトに添えられるファイルは 10 件まで
OpenAI

ChatGPT

OpenAI の AI アシスタント。文書・表・プレゼンを会話から作り、Excel や PowerPoint の中でも使える。

料金
無料 / Go ¥1,400 / Plus ¥3,000(1 人・月)

向いている

  • 文書・表・プレゼンを作れ、既存のファイルに形式を合わせて頼める
  • Excel・PowerPoint・Google スプレッドシートの中からも使える

向いていない

  • 個人向けプランは月払いのみで、年払いの割引が無い
  • スライドの生成は公式にベータ版とされている

よくある質問

会社の資料に使っても大丈夫ですか?

Adobe Firefly・Midjourney・Canva・Gemini・ChatGPT の規約では、生成した画像を適法な目的に使うことが認められています。ただし Midjourney は「年商 100 万ドルを超える企業に属する場合、会社のために商用利用するには Pro か Mega のプランが必要」と書いています。無料プランで作った画像を商用に使う場合は、各社の条件を確かめてください。

生成した画像の著作権は自分のものになりますか?

Adobe・Canva・Google・OpenAI・Midjourney はいずれも「所有権を主張しない」「出力は利用者のもの」と書いていますが、その画像に著作権が発生するかどうかは別の問題です。Adobe も Canva も「お住まいの地域の法律による」と書いており、米国を含む多くの国では AI が作った作品は著作権の保護の対象外だと Canva のヘルプに説明があります。

他の人が似た画像を受け取ることはありますか?

あります。Canva の AI 製品規約には「出力は一意とは限らず、他の利用者が似た出力を受け取ることがある」と書かれています。OpenAI の利用規約にも同じ趣旨の記載があります。会社のロゴや商標の代わりに使うのは避けてください。

補償(indemnification)とは何ですか?

生成した画像について第三者から権利の侵害を主張されたとき、サービスの提供者が防御や賠償を引き受ける約束のことです。Adobe は企業向けの所定の契約を購入した場合に対象の出力を補償するとし、Canva は対象の企業顧客に Canva Shield として追加費用なしで提供、OpenAI は Enterprise 顧客への補償に出力の権利侵害の主張を含むとしています。

AI で作ったと分かるようになりますか?

Gemini アプリで作った画像には見えない電子透かし(SynthID)と来歴情報(C2PA)が入ると明記されています。ChatGPT・Codex・OpenAI の API で作った対応画像にも両方が入ります。Adobe は Firefly の出力を使った所定の書き出しに「コンテンツ認証情報」を自動で付けるとしています。

出典

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この記事を書いた人

Narrative 編集部編集部

Narrative を作っているチームが、実際に AI で資料を作りながら書いています。料金や機能は各社の公開ページを確認日つきで載せ、確かめられない数字は書きません。

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